月曜日に母校である愛知大学で大学三年生向けの授業にて、特別講師として呼んでいただきました。
昨年にも一度リモートで首都圏にある大学講義の中でも紹介をいただいたことがありましたが、今回はたっぷり90分と、まあ結構なボリュームでした。
久しぶりに人前で話すものの、日本語の講演であればそうそう緊張などしないと思っていたのですが、若い学生の前で話すのはやはり緊張するものです。
さて、写真などの掲載許可もいただいたので、また改めて内容については詳細を記事にしたいと思います。
我が愛知大学の現代中国学部は、目玉プログラムとして中国現地への短期留学があります。
しかし、コロナ禍。
現地への留学どころか、その後に予定される海外での現地調査やインターンシップ、といった海外へ渡航をする機会が奪われてしまった学生の何たる可哀そうなことか。
私自身も留学時にSARSという当時得体の知れない相手が訪れ、留学を志半ばで断念したものの、その後はまた穏やかに日常を暮らすことができたことを思えば、彼らに比べて不幸だと嘆くことも憚られるものです。
SARSの実態としては、そこまで危険な感染症ではなかったのですが、当時はインターネットも未発達のようなもので、情報がない不安感は確かに半端なかったのを覚えています。
もしかして、この中に感染者がいるのではないか、と恐れおののいて、何だか映画でも見ているような気分になって目の前が真っ暗になったことは、今でもハッキリと光景としても思い浮かべることができます。
私の昔話はさておき、就活を控えた大学三年生。
驚くほど、彼らの危機感を心底感じさせられました。
実際に企業の説明会なり面接などの具体的な「仕事」が始まれば幾分緩和されるのでしょうが、只今準備真っ最中の彼らは今後訪れる不確かな未来や、自身の現在地、成長度合いについて不安を感じているというのが、手に取るように伝わってきました。
しかし、他人事のような言い方になってしまいますが、危機感を感じたり、不安になることはとてもいい経験。
ノリノリのイケイケで就職をし、ようやく自分の実力を知る危機感のない大学新卒と比べたら、この時期を経験した彼らは、よっぽどタフなんじゃないかと思います。
一方で、今年や一昨年の新卒組もまた苦労の連続です。
新卒入社するや否やの緊急事態宣言で、モチベーションの維持が大変でしょう。
なかなか親近感がないニュースで当時はあまり考えもしませんでしたが、企業の経営状況が突如悪化し内定を取り消しされた等々、当時かなり見聞きしたものです。
思えば東北大震災やリーマンショック、10年ないしは定期的にこうした負のイベントが発生していますし、今後もそれが起きないとは限らない訳です。
やはり危機感を感じざるを得ない環境を、この時期に経験できてよかった、と思える日がくるのではないでしょうか。
むしろ刺激を受けたのは私の方で、彼らのような優秀な人材を雇用できる体制を整え、社会貢献できるような企業にならねば!とこちらが危機感を感じさせられるほどです。
そして、やはり母校の学生と触れ合えるというのは大興奮の経験です。
私も負けないようにと奮ったのはもちろん、彼らの困難に手を差し伸べられる企業でありたいと、決意を新たにするところです。
しかしまあそろそろ、未来への人材を採用できるようになるのではないかと見込んでいるところです。
いつか愛知大学卒業生と仕事ができることを楽しみにしたいと思います。