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2020-12-14
アメリカやオーストラリアと中国。

もう10年近く中国で経済活動をしていると、当然いくつかの中国人老板と仲良くなることができます。

以前からずーっと気にはなっていたのですが、中小企業の老板の子息が中国ではなく海外で教育を受けているケースが非常に多いことです。

堂々と私の前では中国の教育は云々、と語る中国老板も少なくありませんし、中には日本での教育は素晴らしいと(何を知っているのか分かりませんが)褒められることもしばしばです。

彼らが子息に提供する人気の留学先はアメリカ、オーストラリア、ヨーロッパもチラホラ。

少なくない費用を払って子供を海外に留学させるのは中国人の老板にとって、かなりのトレンドであることは間違いありません。

日本は残念ながら滅多に聞きません。

いずれにしても、そうした海外留学のトレンドと、自らは中国で経済活動をしている状況に疑念を持つケースはあまりなく、それはそれ、これはこれ、という考え方が非常に明快なのは面白いところかと思います。

正直に言うと、自国の経済状況と社会情勢をあまり信用していないのも、当の老板自身と感じなくもない大きな矛盾です。

例えば、とある山東省のW社長は息子さんに英語や海外文化に触れさせるため年間数十万元というため息が出るような学費と生活費を負担していますが、ご本人は根っからのアメリカ嫌いです。

果たしてW社長の希望なのか、ご子息ご本人の希望なのかは分かりませんが、家長の意向を重んじる儒教的な発想の根強い中国にあって、家族内での大きな矛盾であるように感じます。

そんなW社長、今年の国慶節にロサンゼルスへと旅立ちご子息と一緒に過ごしましたが、そのままコロナの影響で帰国が困難になってしまったそうです。

ご本人が感染も恐れていることもそうですが、何と言っても飛行機のチケットが確保できず、出るに出れない状況が続いているようです。

そのご本人が根っからのアメリカ嫌いというのも面白いところですが、それでも、かれこれ1年近くが経とうとしています。

何にせよ、一体経済的にどれだけの資産を持っていて、どのようにお金が入ってくる仕組みになっているのか、不思議でなりません。

中国では恐ろしいほどのお金持ちが、日本と比べ物にならないほど多いという実例でした。